ごあいさつにかえて――幼児教育と教材――

 幼児教育の現場で、教材の果たす役割の大きさは、ことさら言うまでもありません。
教材の適不適は、教育効果を左右するばかりでなく、直接間接に子どもの精神と心に計り知れない影響を及ぼすものと考えられます。
  ところで適切な教材とは、どんな教材のことなのでしょうか。

 一言でいえば、子どもが必要とする時期に、もっともそれに相応しい内容と意義を備えたものということになるのでしょう。ここで求められるのは、子どもの発達に即し、知的能力の向上と、情緒の涵養に資する教材ということです。
  ということは、幼児教育の場での教材は、単に教育目的を実現するための補助的役割を負うに留まらないということです。
  それ自体が幼児教育の主体、教育の実質を具体化したものというべきでありましょう。学習教育においては、教育の実質は学習すべき内容に集約されており、それを教科書という形に整えてあります。
  そこでの使われる教材は、あくまでも学習を効率よく進めるための補助手段でしかありえません。

 幼児教育の場にはそういった教科書はないのですから、その実質は授業の場そのものにあるというべきでありましょう。教師と子ども、そして教育素材としての教材の三位一体によって成り立つもの、それが知的発達を促すための幼児教育なのではないでしょうか。いわば、教材を利器とした出たとこ勝負の場ということ他なりません。
  出たとこ勝負というと、行き当たりばったりという印象になりますが、その趣旨はまったく違います。ここでいう出たとこ勝負とは、シュタイナーが言うところの生きた教育の場を実現することです。
  もちろん、生きた教育を成り立たせるのが教材だけというつもりはありませんが、すくなくとも幼児教育の場で使用される教材が、そうしたことを実現させるに足るだけの条件を備えたものであることは要求されてしかるべきと考えてよいでしょう。

 私たち教材を実際に企画・製作する者が努力しなければならない所以があるのは、まさにそこのところであります。
  そうした観点に立って、私たちは幼時のための教材を企画し、製作してまいりました。幸いなことに多くの先生方にこうした趣旨を十分にご理解いただき、ご採用いただき現在に至るまで作り続けることができたのです。
  明確な理念、整合性と実証性のある理論と体系、そして実際的で具体的な根拠、すなわち、実践的な検証を経た教材を、単にそう見えればよいといったレベルでなく、子どもにとって明確なイメージを喚起できる存在感と、愛着の持てるものとして作っていきたいと思っています。

 私たちの幼児教育のための教材に対する基本的な理念は次のようであります。
先ず、何よりも子どものための教材は、ぬくもりがなければならないと考えています。どんなに手際よく体裁よくできていても、それが子どもの心に心地よく響くものでなくては価値はありません。
  ついで、子どもに理解しやすくできているもの、すなわち簡明、簡潔でなければならないと考えています。必要以上に複雑なものは、子どもを混乱させるだけです。
  簡明、簡潔であるということは、粗雑であっていいということではありません。簡明、簡潔であるというのは、明解で単純、それでいて本質的機能、形態をきちんと備えているということです。しかも扱いやすく愛着の持てるものでなくてはなりません。
  心安らぐものでありながら、それでいて出会った瞬間に喜びを齎すような刺激に満ちたものであることも必要です。

 これを可能にするのは、作る者、描く者に喜びと、何よりも子どもに伝わるユーモアの精神がなくてはかないません。
ユーモアとは、その語源に見られる通り人間そのものに発する魂の輝きのひとつです。子どもの精神は常に嬉しがり、喜ぶことを求めているのです。
  いずれにしても、これが私たちの教材づくりの基本理念であり、教育効果、使用方法については、それぞれ解説にある通りです。

造形表現研究所 所長
杉山 卓

造形表現研究所について

 造形表現研究所の前身は、杉山卓が昭和42年(1967)に杉並区上井草に設立した、柿の木美術教室という、お絵描き教室です。
 その後、幼児の知能教育の研究を進め、知的発達と造形的能力、更には創造性との関係に注目。これを「造形表現教育」としてまとめ、中野ブロードウェイに研究・実践の場として造形表現研究所、ならびに造形表現教室を開設、現在まで研究と実践を続けています。

教材の販売について

 本研究所の販売教材は厳選された題材のもとひとつひとつ手作りで作られた教育機関向け教材です。
 従って商品を業者より送付して完了するいわゆる通信販売の体裁はとっていません。きちんとした目的にあわせた教材の選定ときちんとした使用法の説明とともにお届けする体制をとっておりますので、 まずはこちらのお問い合わせフォームから御照会、御注文をたまわっております。

 

会社概要

■歴史

  昭和42年(1967年)    杉並区上井草に「柿の木美術教室」(お絵描き教室)設立

■主な事業

  知育教材の開発・販売

■構成
  所長     杉山 卓

■所在地・連絡先

  〒182-0006
  東京都調布市西つつじヶ丘4-23-45-306
    TEL:03-5982-1587

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